※この原稿は、2006年1月23日に 「速報!サッカー24」にアップされた記事の再掲です。
埼玉生まれの“マンチェスター人”(サポティスタ/岡田康宏)
昨年11月に初の単行本『I LOVE 英国フットボール』(東邦出版)を出版。93年、来日したマンチェスターCに一目惚れし、99年にはマンチェスターへのサッカー観戦留学を敢行。知らず知らずのうちに培われていた人脈を活かし、気が付くとサッカーライターに。速サカでは海外の日本代表選手(UK)を担当。今後の飛躍が期待される島田佳代子さんに話を聞いた。
◆知らなくて飛び込んじゃいました
岡田(以下、岡):2001年だっけ。サポティスタ宛てにメールをくれたんですよね。いきなりメールを送ってきて「何か書かせて下さい」って。「だったら何か書いて」って返したら、すぐに書いたものを送ってきて。そういう人って珍しいんですよ。仕事は、自分から売り込むことが多いんですか?
島田(以下、島):いや、サポティスタだけ。他はほとんどないです。
岡:なぜ、サポティスタに?
島:なんとなく。イギリスに住んでいるときに友達に勧められて。「サポティスタっていう面白いサイトがあるからメールしてみろよ」って。私、サポティスタのこと実は知らなくて。
岡:知らないのが良かった気はするね。
島:知らなくて飛び込んじゃいました。で、いまだに「サポティスタで見てます」と言われるんで。サポティスタに書き始めた頃には『サッカーマガジン』(ベースボールマガジン社)でもちょっと書いていて、その後が『Number』(文藝春秋社)。
岡:サポティスタのあと、すぐに『Number』ってのがまたおかしいよね。
島:それも『Number』の位置付けとかを知らなくて。仕事で書いた原稿としては、2本目か3本目ですね。
岡:そうやって、知らないところにどんどん飛び込んでいけるのはいいところかもね。
島:その後、すぐ『ディスカバリーチャンネル』のドキュメンタリーに出てるんですよ。サッカージャーナリストとして日本とイギリスでロケやって。まだ原稿何本かしか書いてないのに。「そんな仕事よく来たな」と思うんですけど。
岡:何か呼び込む力があるんじゃないですか。
島:ラッキーといえばラッキーなんですけど。
岡:本人は自然にやっているだけなんだろうけど、他人から見るとうらやましがられるかもね。
◆「文化勲章」を頂いたんですよ
島:よく言われるんですよ。「悩みなんてないでしょ」とか「いつも脳天気でいいよね」とか。とんだ誤解だわ(笑)。
岡:悩みなんてあるんですか?
島:ほら、また(笑)。私、毎日お祈りしてるんですよ。寝る前に「今日も一日ありがとうございます」って。年に1回も教会には行ってないんですけど、一応、クリスチャンなんで。悪いことって続くじゃないですか。でも、続くと思うとまた悪いことを呼び寄せるから、楽しくもないのに笑わなきゃいけないと思って道端でニコッとしてみたり。ちょっと危ないと思われるかもしれないけど。でも、それで大丈夫だと思えれば、また良いことが来るので。
岡:イヤなことは、深く考え込まずお祈りで済ますってのがいいのかもしれないね。
島:自分でも洗脳されている部分がありますからね。悪いことがあっても、お祈りしておけば、これ以上ひどいことにはならないだろうと。私の周りもみんなこんな感じなので。
岡:どんなことで悩むの?
島:う~ん。(長考の末) あれっ、なんだろう? まあ、人には言えない悩みもあって(笑)。お祈りも、実は毎日はしてないですしね。長いことしていなくて、最近、またちゃんとするようになりましたけど。
岡:島田さんみたいな考え方が広まると、世界平和につながりそうだね。
島:そうですね、サッカーを通じて世界平和を目指しますか。「文化勲章」も頂いたことだし。
岡:「文化勲章」をもらったの?
島:どこの誰だか知らない方から、メールで「文化勲章」を頂いたんですよ。これまで誰もそんなものはくれなかったから、すごく気に入っていて。誰か知り合いの方だとは思うんですけど。岡田さんですか? 日本人でなかなか気の利いたユーモアのある人っていないから。
岡:それは、日本人同士では伝わりづらいユーモアだと思うな。
島:すごく気に入って、日記でもブログでも書いたのに。私、日本人離れしてるから、こんなハマっちゃったんでしょうね。
岡:ジョークのセンスも独特ですよね。
島:イギリス流かな。
岡:それ、イギリス人が聞いたら怒るんじゃないの。
島:私、イギリス人のすっごいくだらないジョークとか分かっちゃって。イギリス人って、ポーカーフェイスで冗談と分からないようにサラッとユーモアを言うんですよ。私はイギリス生活が長いし、ジョークだって分かるから、あえて反応しないで流すと、数秒後に「さっきのジョークだったんだけど」って。でも、私、そんなに日本人離れしてますか。やっぱり“マンチェスター人"だからかな。
岡:向こうに行って性格が変わったわけではないでしょ?
島:皆さんに私の中学高校時代の友人を紹介したいですよ。みんなこんな感じですから。誰も信じてくれないんですけど。お前みたいなの1人で充分だって(笑)。でも、みんなこんなキャラで忘年会とか新年会とかやると大変。誰も人の話を聞かないで、しゃべってるんで。みんな、それなりの世界でプロなんですけど、好き勝手に生きてるから。だいたい女同士で集まることが多くて、友達の旦那さんとかが来ると、ほとんど発言しないんだけど、後で聞いてみるとそれで楽しいらしいです。
岡:聞き上手な旦那さんじゃないと成り立たないだろうね。
島:「俺が、俺が」って人とは難しいみたいですね。
岡:何でこういう不思議な人になったんだろうね?
島:不思議ですかね。でも、周りからあまりにも「不思議、不思議」「変わってるね」っていわれるから、私も調子に乗って、最近いろいろなところで「(W杯は)イングランドが優勝」「マンチェスター出身」「青い血が流れている」とか言っていて。以前にも増してひどくなってますね。イングランドとブラジルが対戦すれば、ブラジルが勝ちそうなのは分かってるんだけど「私が『ブラジルが勝つ』って言ったらいけない」と使命感にも燃えていて。「ランパードが得点王」とか、訳の分からないことまで。半分冗談、半分本気なんですけど。
岡:島田さんは狙ってやっている部分もあるんだろうけど、天然の部分とネタの部分の境目がどこにあるのか分からないんだよね。そこがおもしろいところなんだけど、文章にすると普通にヘンなやつかイヤなやつになると思うよ。
島:じゃあ、文章にしちゃダメ、イヤなやつになるのやだ(笑)。だって私、メチャメチャ良い人だよ、って言われますよ、いろいろな人から。
岡:それは、どうかな(笑)。
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